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狂犬・木下斉の「地方創生のリアル」

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6077 回視聴 ・ いいね ・ 2025/04/03

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   / @shoutengai_maddog  

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神戸市三宮駅前で現在進行中の大規模再開発「三宮クロススクエア」計画は、衰退する神戸の都市機能を再生する試みとして注目されています。かつて神戸は「株式会社神戸」とも呼ばれ、積極的な土地造成や区画整理によって成長を遂げた都市でした。山を削り、港を埋め立てて開発を進める手法で、新たな住宅地と商業地を創出し、全国の自治体の模範とされていた時期もありました。

しかし、1995年の阪神・淡路大震災、そしてバブル経済の崩壊によってその成長モデルは破綻。神戸は長らく停滞期に入りました。加えて、近年では大阪や京都の都心回帰現象が進む中で、神戸は人口や経済の流出が続いており、兵庫県内でも西宮北口など大阪寄りのエリアが人気を集めています。

こうした背景の中で進められているのが、三宮駅前の再整備計画「三宮クロススクエア」です。計画では、駅前のロータリーを撤去し、大規模な歩行者空間を創出。新たにペデストリアンデッキ(歩行者用デッキ)を設置し、商業施設と一体化した人中心の都市空間を目指しています。また、駅前に新たな中長距離バスターミナル(通称「新バスター」)を整備し、神戸を交通のハブとする構想も進められています。

この再開発は、都市の魅力を再構築するという意義ある取り組みであり、特に「歩行速度で楽しめる都市空間」という方向性は、今後のまちづくりにおいて重要なポイントです。低層の建物が並び、歩いて移動できる生活圏をつくることで、日常的な消費行動や地域コミュニティの活性化が期待されています。

一方で、課題も少なくありません。新たなバスターミナルの構想については、ターゲットとされる中長距離バス利用者(特に四国・淡路方面からの来訪者)の消費力や交通ニーズが、現在の人口減少やマイカー社会の進行と合致しているか疑問視する声もあります。バスによる集客が都市再生の柱となるには、十分な調査と分析が必要です。

また、こうした再開発が成功するためには、三宮駅周辺の既存商店街との連携も不可欠です。現在の商店街の状況や消費傾向を把握し、歩行者空間と商業エリアが有機的につながる設計が求められています。再開発が単なるインフラ整備にとどまるのではなく、実際に「住みたい」「歩きたい」と思える都市空間として結実するかどうかが、神戸の将来を左右する鍵となるでしょう。

【木下斉】
1982年東京都生まれ。高校生時代からまちづくり事業に取り組み、2000年の高校3年次で起業、同年に「IT革命」で新語流行語大賞を受賞。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。09年、一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスを設立。全国各地の地域再生会社への出資、役員を務める。15年より都市経営プロフェッショナルスクールを開校、500名を超える卒業生を輩出し、各地で地域を変える人材を生み出し続けている。著書『まちづくり幻想』『稼ぐまちが地方を変える』『凡人のための地域再生入門』等多数。

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